今回耐震改修する壁です。改修前は聚楽塗り壁でした。
壁を撤去したところです。細い筋かいが一本あります。
念のため内部も調査してみると、2階の床を支える梁が外れ掛かっていました。
梁を下から突っ張り元の位置へ設置し直し、金物にて補強しました。
所定の位置に戻りました。
他の小屋裏も再確認、熊本地震での被害だったようです。
柱頭柱脚(ちゅうとうちゅうきゃく)を金物補強。
地震力が梁や柱に達した場合、柱が抜けようとするのをこの金物で食い止めます。
今回の補強に使ったのはアラテクトシート。アラミド繊維を主素材とした補強材です。
このシートでの補強にはいくつかのルールがあります。そのためにしっかり計測。
ビスを留める間隔もルール通り。耐震診断士が監理することが必要です。
最終的な仕上げは杉の板張り。和室に板張りを用いることで柔らかい雰囲気に。
昭和52年建築の2階建て住宅です。熊本市の耐震診断士派遣事業(補助事業)にて耐震診断にお邪魔して、診断結果をご報告したお宅です。その後、耐震化工事について、どんな風に耐震化を行えばいいの、どこまで補強すればいいの、工事期間は?工事費はどれくらいかかるの・・・、などなど一つ一つ解説させていただきました。工事費について補助金の活用で実質の負担額は少なくて済むこと、補強カ所の範囲やその工事期間中の暮らし方など、不安に思われていたことがわかったことで安心して工事のご依頼をいただきました。熊本市の補助事業としては「設計施工一括」というタイプの補助事業を利用、補助金の受領に必要な手続きなども全面的にサポートさせていただきました。耐震診断から耐震化工事まで合わせて、補助金活用で100万円の負担軽減ができました。
*掲載の写真は今回の工事の一部分です。補強した壁は10カ所程度でした。